実際の相場と向き合うと思い通りにトレードできなくなってしまいます…
そこには原始的な脳の働きと関係しているかもしれないよ。
脳の働き?トレードとどう関係するの?
トレード場面での精神状態
トレードはスポーツのように頭と身体を働かせるのではなく、頭の活動にほとんどのエネルギーを使います。
そのため、精神のコントロールがかなり重要になります。トレードを行う際にその精神を乱してしまう脳の作用が存在します。
それを理解することでトレードとの向き合い方が変わります。
まずはトレードで起こりやすい事象を想像しながら考えてみましょう。
どうでしょうか。これらの事象は誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。
トレード状況ごとの脳の状態
トレードの状況を深掘りして、脳にどのような変化が起きているのかを考えましょう。
1. エントリー前
チャンスが来ているかもしれないと思ってチャートを何度も見てしまう。
→マルチタスクによるドーパミンの放出(側坐核)
2. エントリー時
現在地点がチャンスだと思い根拠なくエントリーしてしまう。
→過去の成功記憶による、ドーパミンの放出(側坐核)
3. ポジション保持時
ポジションが気になりチャートを何度も見てしまう。
→不安による扁桃体の活性化(大脳基底核)
マルチタスクによるドーパミンの放出(側坐核)
4. 大幅な含み損を持ったとき
元に戻ってくるかもしれないという感情が働き、損切りできない。
→損切り後の喪失感(ドーパミンの放出低下による)に耐えられない
5. 含み益を持ったとき
逆行するかもしれないという感情が働き、すぐに利確しようと考える。
→不安による扁桃体の活性化(大脳基底核)
6. 損切り・ロスカットされる直前
焦りと祈りが入り交じる。
→緊急事態によるノルアドレナリンの放出(副腎髄皮)
7. 損切り・ロスカットされたとき
喪失感を強く感じてしまう。
→ドーパミンの急激な減少(側坐核)
8. 利益が確定したとき
自分の力で勝ったと思い全能感を感じてしまう。
→ドーパミンの急激な増加(側坐核)+ 脳に記憶
9. 損切り・ロスカット後
損を取り返そうと再びトレードを行いたくなる。
→緊急事態によるノルアドレナリンの放出(副腎髄皮)
ここまで理解することができたら、自分のトレードを振り返るために演習をしてみましょう。
演習
演習1
1. エントリー前、2. エントリー時、3. ポジション保持時、4. 大幅な含み損を持ったとき、5. 含み益を持ったとき、6. ロスカットされる直前、7. 損切り・ロスカットされたとき、8. 利益確定したとき、9. 損切り・ロスカット後の場面を思い出し、自分がどういう精神状態にあったのか、そのときに起こした行動を振り返ってみてください。
紙などに書き起こしてみるとより記憶を引き出すことができるでしょう。
演習2
トレードが健全なものになっているのかどうかを確かめるためにチャートを見てみましょう。そして自分のトレードがどこに当てはまるのか認識しましょう。
ここまでの内容でトレードと脳の働きが密接にかかわっていることが理解できたと思います。
その中でも、脳の働きを理解する際に特に重要だったのがドーパミンです。ドーパミンとはどのようなものなのかを次に説明します。
ドーパミンとは
ドーパミンは目標達成や勝負で勝った時などに放出されるホルモンです。脳の側坐核という場所から分泌され、報酬系とも呼ばれます。
やる気に関わるホルモンのため、うまく使いこなせば生活に活気を与えることができます。
一方で、快楽による依存度が高くなり、ドーパミンが放出することを何度も繰り返してしまいます。その悪い例がギャンブル依存症やアルコール依存症です。
ルールのないトレードは、なんとなくで売買を判断するため、ギャンブルになってしまう可能性があります。
ギャンブルになるとドーパミンが放出されやすくなり、依存症、いわゆるポジポジ病になってしまいます。
幸せホルモン
ドーパミンのように人を幸せにさせるホルモンは他に2つあります。セロトニンとオキシトシンです。
以下は下記のホームページを参考にしています。
セロトニン
不安感を減らして精神を安定させる。心と体の健康を支える。
オキシトシン
不安や心配を緩和し、ストレスを軽減させる。つながりや愛情などをもたらす。
幸せホルモンの解説
幸せホルモンの基礎になるのがセロトニンです。体内時計と深く関わるため、幸せホルモンの中で一番重要です。太陽の光を浴びることやリズムを刻むウォーキングを行うとセロトニンが分泌されます。
愛情ホルモンと言われるのがオキシトシンです。愛情や人とのつながりで脳の疲れを癒やします。家族やペットとのスキンシップやコミュニケーションで分泌されます。
幸せホルモンの中で、セロトニンが土台、オキシトシンが支柱、ドーパミンが外装のイメージです。
ドーパミンを制するものがトレードを制す
以上の内容を踏まえて、ドーパミンがいかにトレードに重要な要素か理解できたと思います。ドーパミンのコントロールができないとトレードで勝ち続けることは不可能です。
ドーパミンをコントロールしやすくなる方法をまとめていきます。
ドーパミン以外の幸せホルモンの分泌を促す
ドーパミン以外のセロトニン、オキシトシンの分泌がドーパミンのコントロールに有用に働きます。勝ち負け以外に幸せを感じられるようにするということです。
実際の活用方法をいかに記載します。
これによりセロトニンが放出され気分が落ち着きます。
これによりオキシトシンが放出され、愛情による幸せを感じます。
特にセロトニンの放出は簡単に行えるので、めんどくさくても少しやってみることをオススメします。
本気でトレードを行う場合は、人間関係を減らすことが最良であることもあるため、オキシトシンの分泌は難しいかもしれません。オキシトシンについてはマッサージに行く程度が現実的かもしれません。
ドーパミンの放出を抑える
ドーパミンをコントロールするためにはトレードをギャンブルにさせないということも重要です。
過去検証によるルールの抽出とその再現、そしてトレード日記による感情の客観的な認識、無理のない範囲での資金繰りによりギャンブルトレードは大きく減少します。
特に過去検証は実際の過去相場を体験することができるので、相場感を養えます。そのため、万全な心構えで相場に立ち向かうことができます。
試験を受ける時に過去問を解かない人は居ませんよね?同様にトレードを行うなら過去検証は必須のものだと思ってください。
最後に
トレードは自分の感情と向き合う最強の方法だと思います。
相場のあらゆる場面で自分の感情がどう動くのか、そしてどう対処したら良いのかを考えながら成長していければと思います。
自分の感情に打ち勝ったその先に楽しい未来が待っています!
下記の記事もトレードで陥りやすい事象を踏まえながら説明してますので、ご参考にしてください。
ではまた!