【姿勢・動作分析】見るべきポイント

【理学療法】フィジカル

姿勢や動作分析ってどこを見たら良いか全然わからない...。

たけ坊
たけ坊

姿勢や動作って見る人によって違っていたりするし、難しいよね!

何か良い方法はあるのでしょうか?

この記事を読んでわかること

・姿勢・動作分析の目的がわかる

・姿勢・動作分析の見方がわかる

・姿勢・動作分析の伝え方がわかる

姿勢・動作分析の目的

姿勢分析の目的

姿勢・動作が分析できるようになりたいといっても、目的がないと何を見てよいのかがわかりません。まず最初に動作分析を行う目的を作りましょう。

目的は簡単です。例えば、臥位の姿勢分析を行う場合は、左右どちらに寝返りしやすいのかを目的にしましょう。座位姿勢の場合では右脚と左脚のどちらが片脚で立ち上がりやすいかを考えます。

ここで問題です。立位姿勢は何を目的に姿勢分析すれば良いでしょう?

立位から歩き出す際に右と左どちらの足が先に出るか

動作分析の目的

ここまでは姿勢についての目的でした。姿勢分析は基本的に次の動作を目的に設定すれば良いです。しかし、動作分析は少し難しくなります。

動作分析は、その動作を続けるとどうなるかを目的にしなければなりません。例えば歩行分析では、その歩行を続けたらどこが痛くなりそうかを目的にします。

また、見ている動作のどこにロスが生じているかを目的にする例もあります。例えば投球動作では、球速が落ちてしまう原因は何かを目的にします。

ここで問題です。バレーボールのジャンプの動作分析は何を目的にすればよいでしょう?

・ジャンプを続けたらどこが痛くなりそうか
・ジャンプが高くならない原因は何か
など

動作分析の根本的な部分を理解したところで実践していきましょう!


姿勢・動作分析の見方

それでは実際に姿勢分析をしていきましょう!

姿勢分析

臥位

臥位の写真です。フリー素材のため、姿勢が少しわかりにくいですが考えてみましょう。

目的は左右どちらに寝返りがしやすいかを考えることです。頭部や肩、脊柱など部位ごとに姿勢がどうなっているのかをまとめてみましょう。

自分の考えをまとめたらヒントを見てみましょう。

頭部:屈曲か伸展か
肩:左右どちらが挙上か、外転か
前腕:左右どちらが回内か
股関節:左右どちらが外旋か、屈曲か
膝:左右どちらが屈曲か
足:左右どちらが底屈か

考えるポイントは合っていたでしょうか?ヒントは一例なのでもっと良いポイントはあるかもしれません。

それでは答えを見てみましょう。

頭部:伸展
肩:右挙上、右外転
前腕:左回内
股関節:左外旋、右屈曲
膝:右屈曲
足:左底屈

ヒントに合わせて書いてみました。答えが本当に正解かは人によって異なるかもしれませんが...。動作分析で重要なのは予測を立てておくことです。正解か不正解かはここでは重要ではありません。


座位

座位の姿勢分析の目的は左右どちらが片脚のみで立ち上がりやすいかを考えることです。先ほどと同様に部位ごとの姿勢をまとめてみましょう。この写真だと足底が地面に接地していないので何とも言えませんが...考えてみてください。

頚部:左右どちらに側屈か
肩:左右どちらが挙上か、外転か
脊柱:左右どちらに側屈か、前屈か伸展か
股関節:左右どちらが外転

ヒントに合わせた答えも載せておきます。

頚部:左側屈
肩:左挙上、左外転
脊柱:右側屈、前屈
股関節:右外転

実際に写真の人がどのように立ち上がるのかを想像するのが大切ですね!


立位

立位の姿勢分析の目的は歩き出しで左右どちらの脚が先に出るかを考えることです。スマホを持っている立位で日常に近いシチュエーションですね。部位ごとの姿勢をまとめてみましょう。

頚部:左右どちらに側屈か
肩:左右どちらが挙上か、外転か
脊柱:左右どちらに側屈か
股関節:左右どちらが外旋か、外転か

ヒントに合わせた答えも載せておきます。

頚部:右側屈
肩:右挙上、右外転
脊柱:右側屈
股関節:左外旋、左外転

このシチュエーションだとそのままスマホを見ながら歩き出しそうですが、歩きスマホは禁止なので気を付けましょう!


動作分析

歩行

歩行分析の目的は長期間歩行を続けていたらどこが痛くなりそうか考えることです。動作分析とは言っていますが、左右の立脚期で動画を止めて姿勢を確認してみましょう。自身があるなら動画を流しながら左右の立脚期の姿勢を考えていただいても構いません。

フリー素材で分かりにくいと思いますが考えてみてください。

右立脚期
頚部:左右どちらに側屈か
肩:左右どちらが挙上か、外転か
脊柱:左右どちらに側屈か
股関節:左右どちらが外転か

左立脚期
頚部:左右どちらに側屈か
肩:左右どちらが挙上か、外転か
脊柱:左右どちらに側屈か
股関節:左右どちらが外転

左右どちらがより変化があるか

ヒントに合わせた答えも載せておきます。この答えが完全に合っているとは限らないので、間違ったと思っても心配しないでください。

右立脚期
頚部:左側屈
肩:左挙上、左外転
脊柱:右側屈
股関節:左外転

左立脚期
頚部:左側屈
肩:右挙上、左外転
脊柱:左側屈
股関節:右外転

右立脚期の方が脊柱の右側屈が強い

動画のような歩き方をする人はなかなかいませんが、参考にすることで他の人の歩行も見やすくなるとおもいます。


姿勢・動作分析の考察

ここからは次の動作に絡めた考察をしていきます。

姿勢分析

臥位

答えに書かれているのは姿勢分析をもとにして寝返り動作がどのように行われるかの考察です。皆さんも姿勢分析の予測から目的動作である寝返りにどのようにつながるのか考察してみてください。

頭部:伸展
肩:右挙上、右外転
前腕:左回内
股関節:左外旋、右屈曲
膝:右屈曲
足:左底屈

頭部伸展→さらに伸展、右肩甲骨挙上→下制、右股関節屈曲→伸展を利用して左に寝返りを行う。この時左上肢(肘は曲げるかも)と下肢は寝返りの邪魔にならないようにまっすぐ伸ばしておく。

皆さんは普段どちらに寝返りするのが得意でしょうか?


座位

座位姿勢分析の目的は、左右どちらの片脚立ち上がりが行いやすいか考察することです。現在の姿勢から片脚立ちにどのようにつながっていくのかをまとめてみましょう。立ち上がるときは足底を付けていると想像して考えてみましょう。

頚部:左側屈
肩:左挙上、左外転
脊柱:右側屈、前屈
股関節:右外転

脊柱右側屈で右重心に偏り、頸部左側屈で立ち直っている。左肩挙上で頭部と左上肢を固定している。右股関節は外転しているが、右重心に偏っているため片脚で立ち上がるときは右脚の方が実施しやすいと考えられる。

片脚の立ち上がりは普段あまりやらないですよね。やってみると案外難しいのがわかります。


立位

立位姿勢分析の目的は歩き出しは左右どちらの脚が先かを考察することです。立位姿勢と絡めて、こちらに向かって歩き始める場面を想像してまとめてみましょう。

頚部:右側屈
肩:右挙上、右外転
脊柱:右側屈
股関節:左外旋、左外転

左股関節外旋で相対的に外転していることで重心は左。脊柱と頸部右側屈で立ち直っている。頸部右側屈と右肩挙上で右上半身を固定させている。歩き出しは右脚で右膝を伸ばしながら踏み出すのではないかと考える。

直立から動き出すといったら信号待ちですよね。皆さんはどちらから踏み出すことが多いでしょうか。


動作分析

歩行

歩行分析の目的は、長期間の同じ歩行でどこが痛くなりそうか考察することです。自分が同じ姿勢で合ついていると想像して痛みの出る場所を考えてみてください。

右立脚期
頚部:左側屈
肩:左挙上、左外転
脊柱:右側屈
股関節:左外転

左立脚期
頚部:左側屈
肩:右挙上、左外転
脊柱:左側屈
股関節:右外転

右立脚期の方が脊柱の右側屈が強い

右立脚期の右肩下制、脊柱右側屈が強く、右腰部に圧縮ストレスがかかっている。長期間続けると右腰部が痛くなる可能性がある。

自分の歩行を動画でとってみると意外と左右偏っていることが多いです。皆さんもぜひ試してみては!?


まとめ

姿勢・動作分析のことが少しわかっていただけたでしょうか。動作分析は意識して練習すれば、少しずつ身についていきます。スクリーニングとして活用できればスキルは格段に向上するので、日常でも人の姿勢をぜひチェックしてみてください!

ではまた!

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